鉱物名：ポッピ石 ゴールドマン柘榴石（“大和石”）
産地：鹿児島県大島郡大和村名音 大和鉱山
サイズ：ルースケースの一辺が約3.9cm

標本説明
鹿児島県の奄美大島に位置する大和鉱山は、マンガンを目的に稼働していた鉱山です。
鉱物収集家の間では、原田石・パレンツォナ石などのバナジウム鉱物の産地として著名です。
ポッピ石は、2015年の鉱物科学会年会で日本初報告された、バナジウムに富んだパンペリー石族の鉱物です。
濃緑色の繊維状結晶集合で、脈状に産することが特徴とされていますが、産出は極めて稀であるため観察出来る機会はほとんどありません。
日本での報告は、大和鉱山以外に埼玉県・小松鉱山産のものもありますが、両鉱山でも得られたサンプル数は極めて限られ、特に大和鉱山産のポッピ石が市場に出ることは幻的だとされています。
本標本は、濃緑色・繊維状結晶のポッピ石が脈状に観察されるもので、ゴールドマン柘榴石も伴います。
大和鉱山のゴールドマン柘榴石は、1964年に「大和石」の名前で新鉱物として報告されましたが、後年に含マンガン・ゴールドマン柘榴石とされた由来のあるものです。
本標本において、ゴールドマン柘榴石は自形結晶の部分も見られ、大変珍しいものです。
今回の標本は、そういった超・稀産鉱物である「ポッピ石」と「自形のゴールドマン柘榴石（大和石）」が同一標本内に見られる逸品です。
ポッピ石を得るためには、原田石・ロスコー雲母などの緑色のバナジウム鉱物が観察されるような岩塊を発見しないといけないそうですが、そういった岩塊自体が極めて少なく、得難いものだそうです。
奄美大島は世界遺産に指定され、鉱物の持ち出し等も難しくなっている現状、今後市場に出回ることはまずない標本でしょう。
稀産鉱物をお求めの方、この機会に是非いかがでしょうか。
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